ML論文ななめ読み

malignant lymphoma関連の論文を中心に、適当に斜め読みしています。twitterでも関係ない医療ネタを時々つぶやいています(@lymphoma17)

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予期せぬ体重減少は予後因子なのか

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www.ncbi.nlm.nih.gov 病気で痩せてしまうと予後が悪いという割と当たり前じゃないの?という内容ですが、サイトカインとの関連も評価されているのが、新規味ということでしょうか。ホジキンはともかく非ホジキンはB症状の有無で予後が変わらないということ…

PTCLにupfrontのAPBSCTは意味がなさそう

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www.ncbi.nlm.nih.gov PCTL (NOS以外を含む)にup-frontで自己末梢血幹細胞移植をする意味があるかという論文。 初発PTCLは治療としてCHOPをやることが多いんだけど、積極的な理由ではなく、それ以外の選択肢があまりないから。再発は最近単剤のお薬が増えま…

腎障害と肝障害時の化学療法

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www.ncbi.nlm.nih.gov DLBCLは肝門部・腎臓直下にでっかいmassがあったり、肝・腎実質に浸潤してたりすると、肝障害や腎障害が生じます。また、薬剤はだいたいは肝代謝か腎代謝なので、臓器機能が障害されていれば、そのぶん体内に遷延して存在するので減量…

初発DLBCLにDA-R-EPOCHやる意味はない

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www.ncbi.nlm.nih.gov Alliance/CALGB 50303の結果です。治験的にはnegativeな結果ですが、少なくとも日本における血液内科的には崩壊しないで済んだ結果なので、読んどく。 DLBCLにおける標準治療はずっとR-CHOPな訳ですが、それを患者ごとに容量調整し、持…

CNS lymphomaの診断マーカー

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www.ncbi.nlm.nih.gov CNS lymphomaは早く診断すれば予後がよくなるというわけでもないんですが、腫瘍増大スピードが速めで、しかも機能損失すると回復があまり望めないことを考えると、なるべく早く診断したいのが正直なところです。しかも、診断には生検が…

FLは30ヶ月CRだとほぼ健常人と同じ予後

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www.ncbi.nlm.nih.gov FLはindolent lymphomaの代表例ですが、初期治療開始して30ヶ月の時点でCRだったら、スペインの健常人とOSは変わらないというお話です。 FLに対しては、最近ではRBを行うところも増えていますが、古くからはR-CHOPが行われています。CR…

AID発現がDLBCLの予後に影響する

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www.ncbi.nlm.nih.gov DLBCLの予後に関する論文。AIDはsomatic hypermutation (抗体を作るときに可変領域に変異が入ること)やclass switch recombination (可変領域がそのままでIgMがIgGなどに変化すること)に関わる酵素で、京大の本庶先生の仕事の一つなの…

DLBCLはEBV+だろうが免疫不全だろうが予後に関係ない (白人では?)

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www.ncbi.nlm.nih.gov 高齢者だけじゃないのが分かったので最近elderlyが取れちゃいましたが、EBV+ DLBCL-NOSというのがあります。病理的には普通のDLBCLみたいにsheet状に増えるときもあれば、ぱらぱら散在することもありますが、いずれにしろ腫瘍細胞はEBE…

抗PD-1抗体とデブ

www.ncbi.nlm.nih.gov これは論文と言うより新しい知見のまとめ的な記事です。freeなんで、リンクからたどれば誰でも全文を読めますが、なんでだか分からないんだけど、肥満の患者は抗PD-1抗体治療が良く効くよってお話。 肥満の定義はBMI 30以上のことが多…

high risk R/R cHLにBV consolidation

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www.ncbi.nlm.nih.gov 月末で忙しいので、brief reportでも。high riskなcHLの患者に対して、自己末梢血幹細胞移植(APBSCT)後のconsolidationとしてのBVのfollow upですね。 cHL自体は治療成績が良い疾患ですが、時々なかなか寛解に至らない疾患に遭遇します…

agressive NHLへのCAR-T治療の予後因子

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www.ncbi.nlm.nih.gov 今年中にはDLBCLを中心としたagressive NHLへのCAR-T療法が始まろうという噂ですが、その予後因子について検討した論文。 Fred Hutchinsonを中心としたアメリカからの報告です。FDAでは既にaxicabtageneciloleucelとtisagenlecleucelと…

transformed FLの予後

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www.ncbi.nlm.nih.gov transformed FL (tFL)は必ずしも予後が悪いから起こるというのでもなく、なんでなっちゃうのかはっきりとは言えません。組織学的gradeが高いからなりやすいという訳ではないし、FLIPIが高いとなりやすい傾向があるけどそれは生検されて…

MCLにVR-CAP (LYM-3002 final report)

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www.ncbi.nlm.nih.gov 移植不適応の初発MCLに対して、VR-CAPとR-CHOPの比較をやったrandomised, open-label, phase 3 studyの最終報告の論文。割と初期から成績が良かったし、保険適応上も問題なくなったので、早々にコレにしちゃったところも多いんじゃない…

高齢cHLへのAVD + Len.の有用性

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www.ncbi.nlm.nih.gov cHLにABVDはスタンダードな治療で、かつ、なんのこうの言ってもG-CSF製剤を使わないで黙々とスケジュール通り治療しても大体OKという、医療者側にとっては割と頭を使わない面もある治療法です。ただ、いい制吐剤が出てきていつつも相変…

BR後のFLにR maitenanceをすべきかどうか

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www.ncbi.nlm.nih.gov FLの1st lineの最近の流行りはBRで、R-CHOPから移行している病院の方が多数になっている印象です。個人的にはそれってどうなのよって思っているのですが(そのうち書く予定)、BR後のmaintenanceにRを入れるかどうかというお話。 みんな…

PCNSLに対してWBRTの代わりにAPBSCTをする

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www.ncbi.nlm.nih.gov PCNSLの話題が続きます。 1st lineの治療として、「化学療法→全脳照射WBRT」 vs 「化学療法→自己末梢血幹細胞移植APBSCT」のどっちが良いかという議論。 PCNSLの治療は一般的に「HD-MTXを含む化学療法をした後にWBRT」をやるのだけど、…

PCNSLにR^2

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www.ncbi.nlm.nih.gov 先日rituximabを入れる意味がないという論文を読んだばかりだけど、再発難治PCNSLにlenalidomide + rituximabを投与するというprospective P2 trial。LYSAとLOCが合同でやっているようだ。 患者は再発難治ならどんな治療をやってても大…

tisagenlecleucelをR/R DLBCLに

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www.ncbi.nlm.nih.gov 国内でもニュースになっていたので、今回はコレ。CD19に対するCAR-T療法で、B-ALLにも使えるけど、ここではDLBCLへの論文。 sigle group, open-label, multicenter, international phase2試験。患者は成人の再発難治DLBCLだけど、FLか…

初発進行期HLとPET-CT

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www.ncbi.nlm.nih.gov ABVDより治療成績がよいescalated BEACOPPは副作用が問題だから、治療途中のPET-CTで治療効果が良さそうだったら、ABVDに下げてもいいんじゃないというtrial。AHL 2011という試験名で、ランダム化 多施設 非劣性試験第3相。 ベルギーと…

ハイリスク群DLBCLにHD-MTXを足す

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www.ncbi.nlm.nih.gov ご存じの通り、DLBCLの治療のスタンダードはR-CHOPな訳だけど、NOSと付いているだけあって、ゴミ箱診断的な側面があります。なので、totalとしてはR-CHOPなんだけど、特にhigh risk群には強度を強めた方が良いんじゃないかという話題(u…

PTCLにBV

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www.ncbi.nlm.nih.gov CD30陽性のPTCLにbrentuximab vedotinを投与するとどうですか?論文。どうですか?って書いたけど、既にglobal, double-blind, randomised, phase 3 trialなので、最終報告ですね。実際、コレを踏まえてFDAはCD30陽性T細胞リンパ腫にBV…

リスク高めのFLにIFN-α入りのR-CVP

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www.ncbi.nlm.nih.gov original paperじゃなくてcorrespondenceなので、abstractがないけど、free accessなのでリンクをたどれば原著が読めます(そして当然短い)。 FLIPI 2以上 (中間リスク群~ハイリスク群)のFLの患者にR-CVP (dose dense)を投与する時に、…

限局期のFLに対する放射線治療

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www.ncbi.nlm.nih.gov 限局期のFL、要するにI期もしくはII期でも隣接している様な時の治療のstandardは今でも放射線治療を24Gyなんだけど、それを思い切って4Gyにしたらどうなるかって報告。一応書いておくけど、実験的な話ではなくて、4Gyでも効果があるっ…

PELにDaratumumab

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www.ncbi.nlm.nih.gov 日本においてはHHV8が陰性のことが多くて、大体はPEL-likeとしか診断できない。個人的にはPEL-likeしか診たことはないんだけど、難治で困った記憶がある。そのPELにmultiple myelomaの薬が効くよってcase report。 造血幹細胞移植を含…

DLBCLのCNS浸潤のリスク

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www.ncbi.nlm.nih.gov DLBCLでCNS浸潤のriskについて、P3のGOYA studyの結果を用いて検討した論文。臨床研究一つに対して、primary end point以外の論文を数個出すのは最近の流行りなのか(愚痴)。 totalで1418人のR/O-CHOPをしている患者が対象。検討してい…

PCNSLの治療にRを追加する意味

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www.sciencedirect.com primary CNS lymphoma (PCNSL)にrituximabを入れる意味があるかどうかについては、BBBの存在だったり補体やら免疫細胞の有無やらで色々議論が前からありまして。それに終止符を打つ(かもしれない)論文。 オランダ、オーストラリア、ニ…

PTCLにAlisertib

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www.ncbi.nlm.nih.gov AlisertibというオーロラAキナーゼ阻害薬のP3の治験の結果。 再発難治のPTCLの患者に対して、alisertib、もしくはpralatrexate/GEM/romidepsinのうちどれか好きなもの一つを比較した試験。271人がだいたい1:1に登録されている。 結果が…

Burkittにrituximab

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Lancet. 2016 Apr 11. pii: S0140-6736(15)01317-3. doi: 10.1016/S0140-6736(15)01317-3. [Epub ahead of print] Rituximab and dose-dense chemotherapy for adults with Burkitt's lymphoma: a randomised, controlled, open-label, phase 3 trial. Burki…

coltuximab ravtansineのphase II

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Br J Haematol. 2016 Mar 24. doi: 10.1111/bjh.13992. [Epub ahead of print] A phase II, single-arm, multicentre study of coltuximab ravtansine (SAR3419) and rituximab in patients with relapsed or refractory diffuse large B-cell lymphoma. col…