ML論文ななめ読み

malignant lymphoma関連の論文を中心に、適当に斜め読みしています。twitterでも関係ない医療ネタを時々つぶやいています(@lymphoma17)

ハイリスク群DLBCLにHD-MTXを足す

www.ncbi.nlm.nih.gov

ご存じの通り、DLBCLの治療のスタンダードはR-CHOPな訳だけど、NOSと付いているだけあって、ゴミ箱診断的な側面があります。なので、totalとしてはR-CHOPなんだけど、特にhigh risk群には強度を強めた方が良いんじゃないかという話題(upfrontのauto PBSCTとかR-CHOP-14とか…)は定期的に挙がってきます。更にCNS relapseするとかなり厳しい状況になるので、CNS-IPIとかでhigh risk群には髄注とかHD-MTXとかを併用するやり方も提案されていますが、推奨には未だ至りません。

この論文はDLBCLの患者に、R-CHOPに加えて、MTX髄注 x4とHD-MTX x2以上を加えることで、治療成績がどうなるかを調べたprospective studyです。

髄注は7%だけなのでほぼ無視されているんだけど、基本的にHD-MTX群は最初から予後が悪い患者です(prospective studyなので)。それでも、IPIとCNS-IPIごとに分けて検討しています。IPI 3以上だとHD-MTXを加えた方が、PFSもOSも良くて、多変量解析でも残ります。ただし、CNS relapseを減らすことはできませんでした。

HD-MTXは結構副作用がある治療法だし、入院が必要になってくるから、明日からHD-MTXを追加しようぜという気にはならないけど、CNS relapse予防効果があるならと思ったんだけど、ダメか~。今のところ、何をやってもCNS relapse予防にはならないんだなぁ…。