ML論文ななめ読み

malignant lymphoma関連の論文を中心に、適当に斜め読みしています。twitterでも関係ない医療ネタを時々つぶやいています(@lymphoma17)

FLのSUVmaxはtransformationを予測できない

www.ncbi.nlm.nih.gov

タイトル出落ちみたいなお話なのですが、FLの治療前PET-CTで、beseline SUVmaxを参照し、transformation予測に有用かどうかを検討した論文です。

GALLIUM studyの549人のデータを使用して、SUVmaxのcutoffを10と20に設定して検討したけど、無関係でしたという結論。以前はSUVmax 10以上だとhigh grade lymphomaの可能性が高いという論文があって、みんなそれのせいで悩んだこともあるはず。ただ、最近は機器の進化などもあって、SUVmaxが高いからtransformationしてる訳ではないと言われているし、一部のPET-CTをやってくれる病院もわざとSUVmaxを計算しないところもあります。

ということで、治療前と終了時にPET-CTを撮って、局在を確認することは大切だけど、SUVmaxは重視しなくていいし、少なくともSUVmax高いというそれだけの理由で再度生検をしたりしなくていいぞというお話でした。

FLのSUVmaxはtransformationを予測できない

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タイトル出落ちみたいなお話なのですが、FLの治療前PET-CTで、beseline SUVmaxを参照し、transformation予測に有用かどうかを検討した論文です。

GALLIUM studyの549人のデータを使用して、SUVmaxのcutoffを10と20に設定して検討したけど、無関係でしたという結論。以前はSUVmax 10以上だとhigh grade lymphomaの可能性が高いという論文があって、みんなそれのせいで悩んだこともあるはず。ただ、最近は機器の進化などもあって、SUVmaxが高いからtransformationしてる訳ではないと言われているし、一部のPET-CTをやってくれる病院もわざとSUVmaxを計算しないところもあります。

ということで、治療前と終了時にPET-CTを撮って、局在を確認することは大切だけど、SUVmaxは重視しなくていいし、少なくともSUVmax高いというそれだけの理由で再度生検をしたりしなくていいぞというお話でした。

定量的蛍光染色

www.ncbi.nlm.nih.gov

BCL2の発現増強が治療抵抗性に結びつくのでは?というのを、定量的蛍光染色法を使って証明した論文。

手法的にはCD20陽性細胞のBCL2発現を見ている。定量的免疫染色法はBCL2の転座とcopy number gainと相関していて、普通の免疫染色法やmRNA定量と異なり、ちゃんと予後やPFSとの関連が得られたとのこと。

一般的に行われてる免疫染色は、そのタンパク発現を示唆するけど、定量は無理だし、実際転座があっての発現なのかどうかは分からない。でも、今回の手技だと転座とも関連していて、定量性もあるってなかなかいいな。こんな手法あるんだねってお話。他のタンパク(MYCとか)はどうなのかは分からないけど、使えるとなかなか便利そうです。

定量的蛍光染色

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BCL2の発現増強が治療抵抗性に結びつくのでは?というのを、定量的蛍光染色法を使って証明した論文。

手法的にはCD20陽性細胞のBCL2発現を見ている。定量的免疫染色法はBCL2の転座とcopy number gainと相関していて、普通の免疫染色法やmRNA定量と異なり、ちゃんと予後やPFSとの関連が得られたとのこと。

一般的に行われてる免疫染色は、そのタンパク発現を示唆するけど、定量は無理だし、実際転座があっての発現なのかどうかは分からない。でも、今回の手技だと転座とも関連していて、定量性もあるってなかなかいいな。こんな手法あるんだねってお話。他のタンパク(MYCとか)はどうなのかは分からないけど、使えるとなかなか便利そうです。

R-pixantroneと再発DLBCL

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移植適応のない再発DLBCLかg3 FLに、R-pixantroneかR-GEMを投与して治療成績を調べたphase 3試験 (PIX306)。

pixantroneとは、アントラサイクリンの心毒性を弱くした薬剤で、PIX301で2つ以上の前治療歴のあるaggressive NHLに単剤投与して、他の抗癌剤単剤投与と比較して成績が良かったと報告されたもの。20%ぐらいはCRになったと書いてあり、これを元にFDAは承認しているはず。

今回はそれの延長なんでしょうけど、1つ以上の治療後の再発したものを対象としています。Rをday1に、pixantrone or GEMをday1, 8, 15に投与して、28日周期で合計6回投与してPFSを見たものです。観察期間は96週です。

PFSはpixantrone群が7.3ヶ月、GEM群が6.3ヶ月と有意差なし。OSは13.3ヶ月 vs 19.6ヶ月とかえって悪く、ORRとCR率は61.9% vs 43.9%と35.5% vs 21.7%でした。心毒性の副作用も有意差なし。

残念な結果となりました。最初のPIX301は人数も少ないですし、実臨床では期待できそうもない気がします…。

BBBをぶっ壊せ(という話ではない

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primary CNS lymphom (PCNSL)はBBBのために抗癌剤が腫瘍に到達できず、そのせいもあって治療成績が悪いです。一般的にはMTXを基幹とするレジメンで治療されるけど、効果がいまいちだったり、すぐ再発/再増悪する患者も多いです。そのため、R-CHOPが効けばいいのになあと誰もが思いますが、それを内皮透過性をupすることで克服しようというのが今回のお話。

Tumor necrosis factor-α coupled with NGR (NGR-hTNF)はCD13陽性の血管をターゲットとするペプチドで、こいつをつかう。CD13は腫瘍血管内皮に100% (今回の症例では)発現しており、NGR-hTNFを投与すると腫瘍と腫瘍近傍だけ薬剤を透過させることが出来るという仕組み。

12人にR-CHOPとの併用で6コース施行して、9人に反応があり、うち8人はCRとのこと。副作用も、grade 4はほとんどが血液毒性とのことで、期待できそうです。

BBBをぶっ壊せ(という話ではない

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primary CNS lymphom (PCNSL)はBBBのために抗癌剤が腫瘍に到達できず、そのせいもあって治療成績が悪いです。一般的にはMTXを基幹とするレジメンで治療されるけど、効果がいまいちだったり、すぐ再発/再増悪する患者も多いです。そのため、R-CHOPが効けばいいのになあと誰もが思いますが、それを内皮透過性をupすることで克服しようというのが今回のお話。

Tumor necrosis factor-α coupled with NGR (NGR-hTNF)はCD13陽性の血管をターゲットとするペプチドで、こいつをつかう。CD13は腫瘍血管内皮に100% (今回の症例では)発現しており、NGR-hTNFを投与すると腫瘍と腫瘍近傍だけ薬剤を透過させることが出来るという仕組み。

12人にR-CHOPとの併用で6コース施行して、9人に反応があり、うち8人はCRとのこと。副作用も、grade 4はほとんどが血液毒性とのことで、期待できそうです。